鉄道模型には様々なカスタマイズ手法が存在し、ディテール面の改善から走行性能の改良まで様々なサードパーティ製品が存在します。その中でも私が試してみた製品について紹介させて頂きます。
▲KATO製 DD51に常点灯基板 NK40-SN(スナバ回路付き)を搭載。3灯目のシールドビーム灯もしっかり点灯した。
▲TOMIX製 EF66-100(前期型)に常点灯基板 NT04-SN(スナバ回路付き)を搭載。ボディを外した状態でも、後ろ側のライトユニットが点灯することがない事を確認した。
これまで様々な車両の前照灯(ライトユニット)を麦球から白色・電球色LEDに交換してきましたが、基板自体をカスタム済みの製品に交換するという事は今まで行うことがありませんでした。
これについては金銭的な余裕がなかったというのもありますが、加えて「自分でどうにかすれば安上がりで済む」という貧乏性による考えが根底にありました。
もちろん自分で部品や回路構成を弄る事には失敗・破損のリスクがあるため、「出来ないものは後回し」としていたものの、いい加減後回しにした車両が溜まってきてしまったので「やっぱり専用品を買おう」と方針転換した次第です。
今回は前々から気になっていました「鐡」工房 KEY FACTORY様のライトユニットを購入して、これら後回しにしていた製品の改良を実施してみました。
専用の基板は純正品と同じ寸法なのは言わずもがなですが、組み込んでみるとその明るさにびっくり。ボディを被せたら光が透けてしまうのではと心配しましたが、被せてみるとそんなことはありませんでした。
単純に明るくなる事以外にも、そもそも部品単位での分売がなかったり、在庫切れだったりして入手出来なかった部品が手に入るという利点があります。
なお、これまで使用していたライトユニットも今後別の製品で使うかもしれませんので、予備の部品としてストックしておくことをおすすめします。
鉄道コレクションの動力ユニットには銀色に輝く金属ウェイトが装着されていますが、ボディを被せると車内のウエイトがどうしても気になってしまうものです。
そこで、既に動力化済みの鉄コレに付属するウエイトを外しまとめて塗装してみることにしました。下処理としては台所用洗剤での脱脂洗浄・乾燥を行った後に、ニッペのマルチミッチャクプライマーを塗布します。洗浄した所を指で触ってしまうと宜しくありませんので、使い古しの割り箸に両面テープを貼り付けたものにくっつけます。
乾燥した後もペタペタと粘着するプライマーが他社製品でありますが、このマルチミッチャクプライマーは乾いてもサラッとしていますので空気中のホコリなどを巻き込む心配が少ないのが嬉しい所です。
マルチミッチャクプライマーが乾燥しましたら、つや消し黒のスプレー塗料で上塗りします。これまでMr.カラーやタミヤカラーといったラッカー(油性)スプレーを使用していましたが、今回はホームセンターオリジナル商品の水性多用途スプレーを使用してみました。水性といえど、プライマーのお陰で金属に塗ったと思えないほどむら無くきれいに仕上がります。もちろん爪で引っ掻いたぐらいでは剥がれません。
物価高の昨今、ホームセンターでお手頃価格で購入できる水性多用途スプレーとマルチミッチャクプライマーの組み合わせは、「見せたくないところ」をとりあえずブラックアウトするという目的においては最もコスパに優れる手法と思われます。持ち手として使用した古い割り箸もしっかり水性と塗料が乗っており、素材を選ばぬ「マルチ」の名の通りで、用途を問わず威力を発揮してくれることでしょう。
▲数両分の鉄コレ動力ユニットの付属ウエイトを一気にブラックアウトした様子。
塗装面を拡大した様子。塗装前はツルツルの表面でした。▼
▲2号車 キサハ144-702にあしらわれた「いて座」のレリーフが金属インレタでくっきりと浮き上がりました。
レンタルレイアウトで走らせた際のキハ141系「SL銀河」。金属インレタが反射するアングルを模索しながら撮影しました。▼
2023年12月に発売されたTOMIXの2019 C58形蒸気機関車(239号機)と98522 キハ141系旅客車(SL銀河用客車)セットは同年6月に「SL銀河」としての運行が終了した後の発売でしたが、模型としての仕上がりは半年待っただけあって非常に満足のいくものでした。
そして、2024年3月には鉄道模型車両用のインレタ製品でお世話になっている世田谷車両センター様から「SL銀河装飾金属インレタ(品番:i1041)」が発売され、実車の側面にある金属製のレリーフ部分が再現できるようになりました。
金属製であるために一度貼り付けた後のリテイクは難しく、剥がそうとすると千切れてしまう可能性があります。一度千切れた箇所は切断面がピッタリ戻すのが難しくなるため、細心の注意が必要となります。
手持ちの車両にキハ141系+金属インレタがあってまだ施工していないという方は、特に「蠍座」のレリーフは慎重に施工されることをおすすめします(一敗)
通常のインレタと異なる点があるものの、慣れてしまえばサクサク進めることができるようになると思いますが、くれぐれも油断をせず慎重に作業を進めましょう。
▼最終日(23年6月4日)の「SL銀河」の様子。金属製のレリーフが雨に濡れて輝いている。